Room 1【 Saki Makita , Anri Mike】
“ かさなる波紋 ” 牧田紗季 / 三毛あんり
2021.2.12(Fri) - 2.21(Sun) 会期中無休
12:00 - 19:00(最終日17:00まで)(The last day until 17:00)

※緊急事態宣言発令に伴い、営業時間を12:00-19:00から12:00-18:00に変更とさせて頂きます。
ご理解とご協力の程、宜しくお願い申し上げます。

*レセプションパーティーはございません。
*今後も急遽展示日程の変更等がある場合がございます。ホームページやSNSをご確認の上、ご来廊下さいますようお願い申し上げます。

上:牧田紗季 “浮遊する沈殿“ 雲肌麻紙に岩絵具、水干絵の具 Φ40cm 2020
下:三毛あんり “みてる人43“ 紙本墨画 22×33.3cm 2020

s+arts(スプラスアーツ)より、牧田紗季と三毛あんりによる二人展「かさなる波紋」の開催をお知らせいたします。 日本画や水墨画の技法・素材を用いながら、女性像を主なモチーフに現代における個の内面性を描く両者の作品には、アプローチ方 法は異なりますが、共通する点も多くあるように見受けられます。その中でも、とりわけ重要な要素として考えられる“水”を本展の主な テーマとして掲げることにいたしました。

牧田紗季は、重力から解放された夢の中のような浮遊感のある情景を描きます。近年では、鉛筆画や木箱を使った立体作品にも取り 組み、自身の制作の幅を広げています。非現実(夢/空想/過去の記憶)への逃避や望みを描くことで、心の奥底にしまい込まれる名前 のない感情、片隅にある記憶の断片を作品の中に落とし込み、作中の人物に追体験させているのです。
「夢の中の情景、過去の記憶や空想の世界といった「ここではないどこか」を切望する気持ちは現実逃避願望とも言える。しかし、身 体は現実の世界から離れることはできない。過去と現在、夢と現実を行き来しながら、どうしても“いま”“ここ”に生きなければならな いという葛藤は、きっと多くの人が感じたことがあるのではないだろうか。そんな苦悩を抱きながらも現実に生きなければならないわ たしの、そして鑑賞者の、不安や孤独感、悲しみや痛みを作品という形にすることで昇華させられることを望み、制作している。」 --- 牧田紗季

三毛あんりは、古典を手掛かりにしながら、内面化した同時代の無意識を「想像上の自画像」として描きます。独特の主張を含みなが らも奥に秘めた意図のようなものが感じられ、繊細さと人の記憶に残るような強さを兼ね備えています。作中に描かれる人物の仕草 や表情は艶かしくもどこか謎めいており、愛らしさと同時に妖怪のような不気味さも垣間見られます。

「ふと下をみると、波打つ水面に己の姿が揺らめいている。水面に映った眼は、左右に揺れて、恐ろしいような形をとるけれど、私はこ れが自分の形だと承知している。揺れる体から拡がる波紋が、遠くの方で、別の波紋とかさなる。遠くでかさなるあの波紋もまた、私 の形をとっているのだろうか。」--- 三毛あんり

水は、彼女達が制作過程で用いる和紙や膠、岩絵具には不可欠のものであると同時に、お湯、蒸気、体の内側を流れる血潮など、様 々な姿に形を変えます。また、時として様々な姿を映し出す鏡のような役割も果たします。私たち自身を映すこともあれば、夜空に浮 かぶ月を映すこともあるでしょう。

水面に生じる波紋がかさなるように、互いの存在がそれぞれの作品に影響を与え合う、大変興味深い展示となりました。両作家共に 波紋を連想させるような円形の作品も発表いたしますので、これを機に是非お楽しみくださいますようお願い申し上げます。


牧田 紗季 Saki Makita

1990 鹿児島県生まれ
2013 京都精華大学 芸術学部 造形学科 日本画コース 卒業
2015 多摩美術大学大学院 修士課程 絵画専攻 日本画領域 修了

個展
2020 「こころの奥には何がある」s+arts(東京)
2016  「つめたいまどろみ」 画廊・珈琲Zaroff(東京)
2015  「白昼夢と投身」 アートスペース88(東京)
    「耳鳴りの間(東京)」 ギャラリー椿(東京)
    「耳鳴りの間(大阪)」 アートスペース亜蛮人(大阪)

主なグループ展
2021 「かさなる波紋」 s+arts(東京)
2020 「アートのチカラ」 伊勢丹新宿店(東京)
   「山本冬彦が選ぶ若手作家小品展Ⅵ」 枝香庵(東京)
2019 「思い思いのプロフィール」 artTruth(東京)
   「KENZAN2019」 新宿パークタワー(東京)
   「素材と内面」 s+arts(東京)
2018 「式日」 ギャラリー子の星(東京) 「Roppongi α Art Week」 Shonandai Gallery(東京)
2017 「羅針盤セレクション」 アートスペース羅針盤(東京)
2016 「spring show」 ギャラリー椿(東京)
2015  Rieko Honma Photo Exhibition「Sink Into The Dream」 ゲスト出展 / gallery NIW(東京)
2014 「Octet-2014 多摩美術大学大学院 日本画専攻2 年生展-」 佐藤美術館(東京)
   「欲望少女」 デザインフェスタギャラリー(東京)
   「狂気乱舞」 アートコンプレックスセンター(東京)
2013 HOTサンダルプロジェクト「2013未来の収穫祭」 丸亀市生涯学習センター(香川)
   「2013 ユニグラバス小品展」ギャラリーUG(東京)

三毛 あんり Anri Mike

1990 東京生まれ
2012 多摩美術大学造形学部造形学科日本画専攻卒業
2014 多摩美術大学大学院修士課程絵画専攻日本画研究領域修了

個展
2020 「センシュアルストーン」 s+arts(東京)
2017 「グライアイ」 Shonandai MY gallery(東京)
   「肖像画展」 ゲンロンカオス*ラウンジ五反田アトリエ(東京)
2015 「関係ない人」 Shonandai MY gallery(東京)
2013 「君のいないサマーランド」 かしがろう(CASHI内バックヤード電気冷蔵庫137L2F)(東京)

グループ展
2021 「かさなる波紋」 s+arts(東京)
2020 「YOKAI NEIGHBORS」 AG Gallery(ニューヨーク)
   「カオス*ラウンジXI キャラクターオルガナイズ」 ゲンロンカオス*ラウンジ五反田アトリエ(東京)
2019 「amrta」 s+arts (東京)
2018 「カオス*ラウンジX」 中央本線画廊(東京)
2017 「カオス*ラウンジ新芸術祭2017 市街劇『百五〇年の孤独』」 いわき市泉(福島)
   「Shonandai MY Gallery 開廊10周年記念展」 Shonandai Gallery(東京)
   「BOYS LOVE -花- 」 野方の空白(東京)
2016 「Debris*Lounge」 ゲンロンカオス*ラウンジ五反田アトリエ(東京)
   「MY WAY 2016」 Shonandai MY Gallery(東京)
   「BOYS LOVE」 新宿眼科画廊(東京)
2015 「TRIPS ARE TRIPS GIRLS ARE GIRLS」 TAV GALLERY(東京)
2014 「キャラクラッシュ!」 カオス*ラウンジアトリエ(東京)
   「Roppongi α Art Week」 Shonandai MY Gallery(東京)
2013 「カオス*ラウンジV」 ビリケンギャラリー(東京)
2012 「立ち会うわたし 立ち会われるわたし」 ターナーギャラリー(東京)

アートフェア
2015 YOUNG ART TAIPEI (台湾)/ 出品:Shonandai Gallery
2014 YOUNG ART TAIPEI (台湾)/ 出品:Shonandai Galler