Room 1【Makiko Yuasa solo exhibition】
湯浅万貴子 “ 不変の前兆 “
2021.4.30(Fri) - 5.9(Sun) 会期中無休
12:00 - 18:00(最終日17:00まで)(The last day until 17:00)

*レセプションパーティーはございません。

“ 煩うことなく受容せよ “ acrylic,blackleaf,silverleaf,ink on panel 177×155cm 2021

s+arts(スプラスアーツ)より、湯浅万貴子による個展「不変の前兆」の開催をお知らせいたします。

アクリル絵の具に純銀箔や色箔を用いて構成された背景に、人間の身体や木の根などのモチーフをデフォルメした点描画で表現する 湯浅万貴子。彼女が描く身体的フォルムの美は、箔で無機質に作られた絵画空間と点の集合体で生み出されたモチーフが絶妙に交わ ることで、繊細さが引き立てられています。

湯浅は、近年の自身の状況について、「常に動いて(=変化して)いる」と話します。それは、自らが好んで動いているのではなく、物理的 にも心理的にも何かに動かされている感覚に近いと言います。自分で決める前に、周りの状況により留まったり動いたりさせられるこ とが多くあるのです。本展「不変の前兆」では、流転する世の中を自身の状況をもって確信する彼女が、ある1つの問いと、それに対す る答えを導き出すような形で作品を展開いたします。

古今和歌集に「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の香ににほひける」という紀貫之の歌がある。
「人の心はわからない。しかし馴染みの地の梅の花は昔と変わらず良い香りだ。」
人の心は推し量ることが出来ないし変わる事が多いが、変わらないものだってこの世にあるよね。
という私なりの解釈だが、はたして、本当に変わらないものはあるのだろうか?
この問いに、私たちはこの10年間実感的に答えを出している。
不変はない。この世は常に変わり続けている。
不変の存在があるからこそ可変が起こり得る。
不変の前は可変が起こり、可変の前は不変がある。
不変であって欲しいと願うものはある。
それはいつ何時も人が求め得るものが多い。 それは大きく云えば愛だったりするのであろう。
私たちは常に変わり続ける。しかし、不変の兆しを常に望んでいる。--- 湯浅万貴子

本展のメインとなる作品「煩うことなく受容せよ」は、“真実の愛の死”が描かれたとされるエゴン・シーレの「死と乙女」から着想を得 て描かれたもの。愛が不変であって欲しいと願うけれど、いずれは終わりがくることがあるように、自分だけではどうしようも出来な いことが合わさることで、世の中は常に動かされているのかもしれません。その他、湯浅作品を代表するシリーズの1つ、Rootsも、昨 年の個展から派生し、新たな形状を含めて発表いたします。

これを機に、点描と箔が織り成す湯浅万貴子の新作展を是非ご高覧ください。


湯浅万貴子 Makiko Yuasa

1988 新潟県生まれ
東北生活文化大学家政学部生活美術学科中退

個展
2021 「不変の前兆」 s+arts (東京)
2020 「静かな荒野」 s+arts (東京)
2014  湯浅万貴子展 Shonandai Gallery (東京)

グループ展
2020 「荒地のアレロパシー」 MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY(東京)
2019 「amṛta」 s+arts (東京)
2018 「せんだいアンデパンダン展」 Gallery TURNAROUND(宮城)
   「Composition」 Shonandai Gallery(東京)
2017 「Shonandai MYGallery10周年開廊記念展」 Shonandai Gallery(東京)
2016 「WILL展」 Shonandai Gallery(東京)
2014 「MY duo展」 Shonandai MY Gallery(東京)
2012 「Roppongi αArt Week」 Shonandai MY Gallery(東京)
2011 「“petit”GEISAI#15 Point Ranking ふたり展」 Hidari Zingaro Gallery(東京)

アートフェア
2015 「YOUNG ART TAIPEI」 (台湾)/ 出品:Shonandai Gallery
2012 ULTRA 005 (東京)/ 出展ディレクター:山本知青 (Shonandai Gallery)

アワード
2011 YOUNG ARTIST JAPAN vol.4 TOGBOAT Shonandai MY Gallery 山本美知子賞
   GEISAI #15来場者ポイントランキング第3位

掲載
2020 Webレビューとレポート(みそにこみおでん)家船参加作家インタビュー/聞き手・KOURYOU
2018 美術の窓5月号「新人大図鑑2018」
2012 月刊アートコレクター9月号「新人アーティスト300人」

その他
会田誠 MONUMENT FOR NOTHING II / 制作アシスタント(2010~2014年)
KOURYOU 家船 / 企画、制作アシスタント(2019年~現在)