山中 宣明 Nobuaki Yamanaka

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山中宣明は、古典技法の基礎を元にしながら、テンペラ等の顔料を含め様々なメディウムを用いて、透明と不透明、有機性と無機性、 偶然と必然等相反する要素の融和を強く意識しながら制作している作家です。西洋美術史の文脈の中での抽象画の概念だけでなく、 水墨画等の東洋的心象性哲学性も創作の規範としている山中の作品は、国内外で高い評価を得ています。

作品を見た後に人が受け取る「感覚」を重点に置き制作を続ける山中は、「音」という目に見えない刺激を用いて自身の絵画で表現す ることを一貫したテーマとして掲げ、長年追求しています。様々な素材が交じり幾層ものレイヤーで織り成される画面空間を一度解体 し、再構成することを意識的に取り入れ制作をすることで、奥行き感が伸びるかのように残響的なイメージのレイヤーが加わります。

複合的なニュアンスを持ちながらも何処かに抜け感のある場所を絵画空間に作ることで、色味の幅や奥行きが増し、作品毎に異なる印象を受ける山中の作品は、色鮮やかにも渋く深みのあるようにも見受けられ、美しく心地の良い世界へと鑑賞者を導いてくれること でしょう。