All Room
【 Joe Katayama solo exhibition 】
片山 穣 “ Nomad ”
2025.7.11(Fri) - 8.2(Sat)
日・月・火曜休廊
12:00-19:00 最終日17:00まで / The last day until 17:00
*レセプションパーティーはございません。

" Anything " 綿布に染料  97×162 cm 2025

s+arts(スプラスアーツ)より、片山穣 個展「Nomad」の開催をお知らせいたします。

ろうけつ染めに独自の技術を加えた染色技法で作品を制作している片山穣。多くの制約が伴う中で綿密に計画され、幾度も繰り返さ れる染色の作業工程と、それを成し遂げられる片山の技術と器量によって絵柄が何層にも重なり、繊細な作品の表情を出すことを可 能にしています。近年では、建物のウィンドウを使っての大型展示や、企業とのコミッション制作など、ギャラリー外での活動も積極的に行い、自身の活動の場を広げています。

絵画とは異なり、「染め」は色を重ねても表面に凹凸が出来ません。しかしながら、何度も重ねられた色が糸の中に染み込み、制作過 程で試行錯誤をした痕跡が生地の表面に現れることで、染料ならではの透明感のある発色と柔らかで深みのある表情が作られます。 「制約が多く、修正の効かない手法で作品を制作することは、柵の多い社会の中でどう生きていくか考える事と似ている」と考える片山は、作品を通じて社会と共振し、新たな染めの可能性を探求しています。

「今回の作品は、特定の場所が決まっていない風景をモチーフとして“Nomad(=特定の場所にとどまらずに移動しながら生活する人)" をテーマに制作しています。
社会で生活する中で異なる視点、状況、役割などによって様々な角度で物事に直面し、どこにスタンスを置くのか、何かと比較したり比較されたりして常に自分の立ち位置を気にして彷徨う人が多くいるように感じます。そして自分が何者か分からず、どうしていいか分からない人は弱く、逃げていると扱われてしまいます。
でも、どこにも属さず自分を何者か決められないように生きたいと思うのは逃げや弱さなのでしょうか。
既視感のある風景も気付かぬうちに様変わりしていくように、当たり前のようにそこにあった物、常識だと思っていたことも変化していく。カテゴライズされることは多いのに、どんどんとカテゴリーは増えて複雑化していく、そんな時代においてどう生きていけばいいのか彷徨うことは、避けられないように感じます。
でも、そうやって自分の呼吸しやすい居場所を探すことは、優柔不断でもなく、在るが儘を生きたいと思う人の生き様そのものではないかと思うのです。
今回の作品は、そういった足掻き彷徨う最中に出会う景色を想定して制作しました。あらゆるものが絶えず変化している時代の中、何者にもなれず行く末を探し求め彷徨う人々にとって一時の逃避ができる止まり木のような作品で在れと思っています。」--- 片山穣

「Chill」という一貫した自身の作品テーマを掲げ、観る者が現実から離れて自身と向き合い、心を落ち着かせるための役割を持たす事 を目指している片山がモチーフとする風景は、都心の交差点だったり、木漏れ日の降り注ぐ森の中だったり、時には動物や草花をクローズアップしたもの等様々ですが、そこから彼が引き出す静謐な空気感と染め特有の雰囲気を上手く交わらせることで、日常の側に潜む心地良い瞬間にリンクするよう描いています。

本展タイトル「Nomad」とは、現代社会に生きる人々の、心の揺らぎや彷徨を、場所を特定しないノマドと例え、世の中の移り変わりに翻弄されながらも自分らしく生きていくことを表しています。そこには、片山自身も過去と現在のスタンスを見つめ直すことで見出された、確信的な意志のようなものが見受けられます。今回は、昨年よりも更に、作品毎の焦点の合わせ方の強弱を大きくし、視覚的な 距離感を意識して制作することを試みました。しなやかでありながら芯の通った強さが感じられる、奥行き感のある片山穣の新作群を 是非ご高覧ください。


片山 穣 Joe Katayama
1985 新潟県出身
2011 東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻卒業

個展
2025 「Nomad」 s+arts (東京)
「Monotonous」 gallery neo_/ Senshu (茨城)
2024 「Omnifarious dots」 anonymous studio (愛知)
「We are “noise”」 s+arts (東京)

「Diversity gradation」 anonymous bldg.(東京)
2023 「ever where」 s+arts (東京)
「Traces」 G’s Gallery Tsukuba (茨城)
2022 「solid」 s+arts (東京)
2021 「Chill」 s+arts (東京)
2020 「Are you there」 s+arts (東京)
2019 「Ordinary colors」 s+arts (東京)
2018 「Silent voice」 Shonandai MY Gallery (東京)
2017 「Complex animals」 Shonandai MY Gallery (東京)
2016 「Flicker」 Shonandai MY Gallery (東京)
2015 「Ambivalence」 Shonandai MY Gallery (東京)
2014 「Terminal」 Shonandai MY Gallery (東京)
「Rainbow portrait」 GALLERY HANA SHIMOKITAZAWA (東京)
2013 「Human collection」 Shonandai MY Gallery (東京)
2012 「Everybody in mind」 Shonandai MY Gallery (東京)

グループ展
2025 「いんすぴ これやん展 Vol.6」(東京)
2024 「ART SESSION by 銀座蔦屋書店」銀座蔦屋書店(東京)
「100人10」 渋谷キャスト(東京)
「s+arts new year exhibition」 s+arts(東京)
2023 「Dutch Auction ARTNOW VOL.3」 銀座蔦屋書店(東京)
「街と建物展」 月ノ出画廊(東京)
「WHAT CAFE EXHIBITION vol.27」 WHAT CAFE(東京)
「ARTIST NEW GATE ファイナリスト展」 あべのハルカス近鉄本展アートギャラリー(大阪)
2022 「100人10」 東京ミッドタウン(東京)
「つくばアートサイクルプロジェクト2021-2022」 (茨城)
2021 「Their collages」 s+arts (東京)
「True colors ~染織作家三人展~」 新宿伊勢丹アート&フレーム (東京)
「トウキョウナナイロ展202」1 新宿伊勢丹アート&フレーム (東京)
「港 ヨコハマ 夏の市」 FEI ART MUSEUM YOKOHAMA (神奈川)
2020 「IAG AWARDS 2020 EXHIBITION」 東京芸術劇場(東京)
2019 「九州・インターナショナル ・アート・キャンプ 2019」 ギャラリー風 (福岡)
2017 「Shonandai MY Gallery 開廊10周年記念展」 Shonandai Gallery (東京)
「童心未泯 Young At Heart 2017 - 台日11人聯展」 Galerie F&F (台湾)
2016 「Malaysia, Japan & Philippines Fusion 3" art exhibition」 Galeri Seni Mutiara (マレーシア)
2015 「MY duo 2015 片山穣 / 吉澤知美」 Shonandai MY Gallery (東京)
2012 「明日のつづき 常総市まちなか展覧会」 二水会館 (茨城)
2011 「machinaka 2011 Downtown × Artist = 常総市まちなか展覧会」 二水会館 (茨城)

アートフェア
2025 アート大阪(大阪)
2024 アート大阪(大阪)
2022 アート大阪(大阪)
2019 Affordable Art Fair Hongkong 2019 (香港)
2018 Art FORMOSA (台湾)
2017 Affordable Art Fair Singapore 2017 (シンガポール)
2016 Art Stage Jakarta 2016 (インドネシア)
Art Kaohsiung 2016 (台湾)
2015 Affordable Art Fair Singapore 2015 (シンガポール)
YOUNG ART TAIPEI 2015 (台湾)
Art Monaco 2015 (モナコ公国)
2014 ART APART ART FAIR 2014 (シンガポール)
Art Taipei台北國際藝術博覽會 2014 (台湾)
2013 ジ・アートフェアズ:+プリュス-ウルトラ2013 (東京)
Art Taipei台北國際藝術博覽會 2013 (台湾)
*全てs+arts 又は Shonandai Galleryより出品

パブリックコレクション
Batik Painting Museum Penang(マレーシア)
アマリ歯科デンタルクリニック(東京)
チャームスイート桜上水(東京)

その他
三菱鉛筆22硬度ショールームイラスト
Amazon TV スクリーンショットに作品画像提供