Room 1
【 Saya Kubota solo exhibition 】
久保田沙耶 “ なりかけ園 NOT-YET GARDEN ”
2026.11.13(Fri) - 11.28(Sat)
Close : 日・月・火曜 / Sun, Mon, Tue
12:00-19:00 最終日17:00まで / The last day until 17:00
*レセプションパーティーはございません。
' NOT-YET GARDEN - Seedling ‘ Ceramic 2026
s+arts(スプラスアーツ)より、久保田沙耶による個展「なりかけ園 NOT-YET GARDEN」の開催をお知らせいたします。本展は、弊廊 での初めての展示となり、作家自身としては初の試みである陶の新作を軸に、彼女の世界観でギャラリー空間を演出します。
久保田沙耶は、日々の何気ない光景や人との出会いによって生まれる記憶と言葉、それらを組み合わせることで生まれる新しいイメー ジやかたちを作品の重要な要素としています。焦がしたトレーシングペーパーを何層も重ね合わせた平面作品や、遺物と装飾品を接合 させた立体作品、さらには独自の装置を用いたインスタレーションなど、複数のメディアを使い分け、ときに掛け合わせることで制作を しています。大和日英基金での個展「Material Witness」や瀬戸内国際芸術祭のプロジェクト「漂流郵便局」などでも広く知られ、随 筆家としての活動も並行して、積極的に自身の表現を広げている作家です。
本展「なりかけ園(NOT-YET GARDEN)」とは、名前のないものが育つ場所という意味合いを込めて久保田が名付けたタイトルです。 自身が生み出す陶の作品一つ一つを、植物、動物、骨、肉、珊瑚、無機物、有機物、全てがいっしょくたになった苗と見立て、展覧会場 を苗たちが一時的に集められ、それぞれ別の場所へ運ばれていくための出荷場として構成いたします。
「これまでとは一風変わった作品を約半年間、継続的に制作してきました。うまくまだ言葉にはできませんが、これまでは“過去の痕跡” を辿るような制作が多かったのに対して、今回は“未来の痕跡”のようなものを衝動的に作りたくなりました。
矛盾した言葉の通り、私の手は、骨や珊瑚のようなかつて何かだったものと、多肉植物のようなみずみずしく今を生きるものが組み合わ さった、一つの生命体の苗を求めたかのようです。そして、部屋の中に観葉植物を置くように、間近で生き生きと、分類できないすべて の手前にある、まだなにものでもないこの苗の成長を待ち侘びたい気持ちになったのです。
そこで出来上がったのがこの“なりかけ園の苗《NOT-YET GARDEN seedling》”です。
私にとってはここ半年間、毎日を生き抜くためにはこの奇妙な生命体のような苗が必要でした。頭で考えることはなく、粘土をこねなが らその時の偶然の手つきや心地よい動き、時には私の手つきの癖も加わりながら、いつも無計画に苗を作りました。
こうやって書いていると、最終的には私たちが還る「土」をこねて、新しくも古めかしいものを作ろうとしているのは滑稽なことにも見え ます。素焼きをして釉薬をかけて、結晶化したような表面に焼き上げることもまた喜びのひとつでした。わたしという有機物のやわらか い肌とすごく間近にあった形が、もう土にも還らないほど固く冷たく遠いものになっていけばいくほど、まるでそれが一つの星になるか のような、なぜか嬉しい気持ちになるのです。
そして、これらの“苗”が一斉にならべられ、一つの園のようになるとき、今度は苗たちに包まれているような幸福感があります。 何かになる前の状態そのものがひとつの存在の仕方となって、それぞれ違う方向へ育っていきます。苗には完成形がありません。今回の個展ではこれらの苗を、ひとつの贈り物として出荷するようにして、“なりかけ園”を再現できることをとても嬉しく思います。」 --- 久保田沙耶
今回発表するシリーズは、これまで久保田の作品を知る人であれば、大いに異なる印象を受ける事は一目瞭然だと言えるでしょう。扱 う素材やモチーフから、クールな雰囲気の作品が多かった彼女ですが、本展では、より暖かみのある、愛らしい印象の作品が並びます。しかしながら、「苗には完成形がありません。それもまたこの園ではひとつの育ち方です。」と彼女が言うように、色彩や形が鮮やかで明瞭なのに対し、最終的な見解は鑑賞者に委ねるという抽象的なアプローチをしていることが、これまで久保田の制作してきた作品と の共通する点であるようです。そこには、自身の作品と人との出会いを制作の大切な要素としている彼女の姿勢が見受けられます。これを機に、久保田沙耶の新作展を是非ご高覧ください。
久保田 沙耶 Saya Kubota
1987 茨城県生まれ
2010 筑波大学芸術専門学群構成専攻総合造形卒業
2012 東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修士課程卒業
2013 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻油画研究領域卒業
主な個展
2026 「なりかけ園 | NOT-YET GARDEN」s+arts(東京)
2025 「骨を漕ぐ | To Row the Bone」
常陸国出雲大社ギャラリー桜林(茨城/笠間)
2024 「すきまのあるじ | Hosting the In-Between」
iwao gallery(東京)
2024 「砂と泉」アート格納庫M (鳥取/倉吉)
2023 「もぬけの城 Shed skin of life」
Gallery Yu Harada (東京)
2021 「とめどないかたち|WOKR IN PROGRESS FOREVER」
板室温泉大黒屋(栃木)
2021 「観音さまの思い込み」倉吉博物館(鳥取)
2020 「ひとはなんていうの」HARMAS GALLERY(東京)
2018 「Material Witness」hpgrp Gallery(東京)
2018 「Time Burns」AISHO NANZUKA(香港)
2017 「私の目には涙がこぼれる」LUMINE MEETS ART2017(東京)
2016 「Missing Post Office UK」IKON Gallery(UK/London)
2016 「Material Witness」日英大和基金(UK)
2015 「鹿を歯医者に連れて行く」Island MEDIUM(東京)
2012 「melting monster」AISHO MIURA ARTS (東京)
主なグループ展
2023 Kobe Re: Public Art Project / KIITOほか(神戸)
2022 感性の遊び場/ ANB Tokyo(東京)
2022 信像(久保田沙耶×今野健太) / HARMAS GALLERY(東京)
2020 DELTA Experiment / Tezukayama gallery (大阪)
2019 「TURN –ときをかさねる」(久保田沙耶、池田晶紀+川瀬一絵)
みずのき美術館(京都)
2018 The Size of Thoughts / White Conduit Projects(UK)
2018 TURN フェス4 日常非日常/東京都美術館(東京)
2014 Leather Japan 2014/ THOMAS ERBEN GALLERY(NY)
2013 瀬戸内国際芸術祭2013/ (香川/粟島)
2008 GENIUS FIELD / AISHO MIURA ARTS (東京)
プロジェクト
2023 「北野光遊浴」AjRK(兵庫/神戸)
2019 「コレデ堂」明倫AIR(鳥取/倉吉)
2013 ~ 「漂流郵便局」旧粟島郵便局(香川/粟島)
パブリックコレクション
Friedrich Flick Collection
