All Room
【 s+arts summer exhibition】
s+arts summer exhibition 三毛あんり、三橋灯、湯浅万貴子、山口ひかり、谷口典央
2022.7.29(Fri) - 8.7(Sun) 会期中無休
12:00 - 19:00(最終日17:00まで)(The last day until 17:00)

*レセプションパーティーはございません。

左より
三毛あんり、三橋灯、湯浅万貴子、山口ひかり、谷口典央

s+arts (スプラスアーツ)より、三毛あんり、三橋灯、湯浅万貴子、山口ひかり、谷口典央によるグループ展「s+arts summer exhibition」の開催をご案内申し上げます。

三毛あんりは、紙、膠、顔料を用いて、内面化した同時代の無意識を想像上の「自画像」として描いています。「主題を自身に限定する ことで、具象絵画において往々にして不可避である"描く対象を消費すること"を避けることを試みる」と三毛は話します。当ギャラリー での前回の個展では、非常に受動的な態度で在ることを“センシュアルストーン”として描きましたが、今回は、その次の段階として、結 論を保留にするしかないと分かってはいても、少しずつ動き始めていく様子を描きました。墨絵のドローイングや、形を用いてパターン 化させた小作品の展開は、動き方の模索をしながら今後へ向けての準備運動をしているようです。

三橋灯は、下地処理を施さない綿布に絵の具を滲み込ませていくステイニングという技法で、主にアクリル絵の具を用いて制作しています。日常から生まれる曖昧な記憶のカケラや出逢ったモノを画面の中で複数重ね、写真表現のブレ・アレ・ボケや映像の走査線などのノイズを引用することで違和感と親近感が画面に共存する作品を描いています。近年では、鉛筆によるデッサン作品も積極的に制作し、自身の表現の幅を広げています。本展では、昨年の個展「bright」に引き続き、「そばにある“ひかり”を見つめる」をテーマに描かれた新作を発表いたします。表現する側と求める側との繋がりをいつも以上に強く感じた昨年から半歩前進し、より光にフォーカスして、身近な「ひかり」を大切に描きます。

湯浅万貴子は、アクリル絵の具に純銀箔や色箔を用いて構成された背景に、人間の身体や木の根などのモチーフをデフォルメした点描画で表現しています。彼女が描く身体的フォルムは、箔で無機質に作られた絵画空間と点の集合体で生み出されたモチーフが絶妙に交わることで、繊細な美しさが引き立てられています。今回の展示では、エドワード・マイブリッジの「階段を降りる女」(1887年)を参考に、モチーフの中で“ズレ“を生じさせた作品制作を試みました。銀由来の箔など、背景に用いられる素材が経年変化していくことから、これまでの作品には、背景とモチーフの間に時間軸のズレが生じていると湯浅は考えました。マイブリッジが連続写真で時間という四次元を分解し再構成したように、点に時間軸の交差を試みることで、画面上で動きのあるような新作群や、コラージュ作品を含めて発表いたします。

山口ひかりは、主に銅板と七宝の偶然的な着色反応に着目して制作しています。0.3mmの薄い銅板をキャンバスとし、自然と表れる線や点のドローイングを七宝で描きます。銅板を酸化・還元させることによって得られる自然な色味と七宝による鮮やかな色彩に無限の可能性を感じているという山口は、現代の情報社会における、あらゆる技術の向上により暮らしが豊かになる一方で、鈍っていく我々の本来の感覚や直感力の大切さに気付くきっかけとなる作品を目指しています。「忘れてはいけないのは、初めて触った土の感触や匂い、木は大きくてあたたかいことなど、いつまでも純粋な心であること。」と語る山口の、自身の感覚に素直に導かれ制作された作品群は、どことなく愛らしい印象を覚えます。

谷口典央は、主に版画や油彩、木の板を彫刻した版木などを用いて、時間軸をコンセプトに作品を制作している作家です。描くことや木を彫って生まれた線の揺らぎは空気の動きであり、作品の中で時折見られる色のグラデーションは時間の流れを表しています。「人型のタイムトラベラーが過去から未来の何処かを訪れ、目にした場所や物、移動した空間を、私が記録、伝達する、という意図のもと制作を行っている。」と話す谷口は、"タイムトラベラーが発見した新しい惑星"をテーマに現在制作に取り組んでいます。谷口の作品に描かれるモチーフは、人や動物、風景など様々ですが、どれも時空を飛んでいるような浮遊感を感じられ、版木の作品に関しては洞窟壁画のような印象も見受けられることでしょう。制作技法を超えて過去と未来を行き来する独特の世界観をお楽しみください。

それぞれの制作技法やテーマも異なり、各々が独自の思想を持つ5名の作家による“s+arts summer exhibition”は、力強く興味深い作品群が並びます。是非お楽しみください。


三毛 あんり Anri Mike
1990 東京生まれ
2012 多摩美術大学造形学部造形学科日本画専攻卒業
2014 多摩美術大学大学院修士課程絵画専攻日本画研究領域修了

個展
2021 「ジェネリックポートレイト」 YEBISU ART LABO( 愛知)
2020 「センシュアルストーン」 s+arts(東京)
2017 「グライアイ」 Shonandai MY gallery(東京)
「肖像画展」 ゲンロンカオス*ラウンジ五反田アトリエ(東京)
2015 「関係ない人」 Shonandai MY gallery(東京)
2013 「君のいないサマーランド」 かしがろう(CASHI内バックヤード電気冷蔵庫137L2F)(東京)

グループ展
2022 「s+arts summer exhibition」 s+arts(東京)
2021 「家船 淡路島漂着」 津井の家「琴屋」(淡路島)
「かさなる波紋」 s+arts(東京)
2020 「YOKAI NEIGHBORS」 AG Gallery(ニューヨーク)
「カオス*ラウンジXI キャラクターオルガナイズ」 ゲンロンカオス*ラウンジ五反田アトリエ(東京)
2019 「amrta」 s+arts( 東京)
2018 「カオス*ラウンジX」 中央本線画廊(東京)
2017 「カオス*ラウンジ新芸術祭2017 市街劇『百五〇年の孤独』」 いわき市泉(福島)
「Shonandai MY Gallery 開廊10周年記念展」 Shonandai Gallery(東京)
「BOYS LOVE -花- 」 野方の空白(東京)
2016 「Debris*Lounge」 ゲンロンカオス*ラウンジ五反田アトリエ(東京)
「MY WAY 2016」 Shonandai MY Gallery(東京)
「BOYS LOVE」 新宿眼科画廊(東京)
2015 「TRIPS ARE TRIPS GIRLS ARE GIRLS」 TAV GALLERY(東京)
2014 「キャラクラッシュ!」 カオス*ラウンジアトリエ(東京)
「Roppongi α Art Week」 Shonandai MY Gallery(東京)
2013 「カオス*ラウンジV」 ビリケンギャラリー(東京)
2012 「立ち会うわたし 立ち会われるわたし」 ターナーギャラリー(東京)

アートフェア
2015 YOUNG ART TAIPEI (台湾)/ 出品:Shonandai Gallery
2014 YOUNG ART TAIPEI (台湾)/ 出品:Shonandai Gallery


山口ひかり Hikari Yamaguchi
1993 札幌市生まれ
2017 武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科金工専攻 卒業
2019 武蔵野美術大学大学院造形研究科デザイン専攻工芸工業デザインコース金工専攻修

展示
2022 「s+arts summer exhibition」 s+arts(東京)
「SUNS RIVER by MADE IN BANZAI」(渋谷PARCO 2F SPACE [BRIDGE])
「イージーバターエントランスカーテンホール」(house t/東京)
2021 「EQUALOOM」(渋谷宮下パーク/EQUALAND)
「DESIGNART TOKYO 2021 "1-15-22 Apartment" by MULTISTANDARD」(東京)
グループ展「rib」WALLA(東京)
TALENTE2021 入選(ドイツ)
2019 第三回宝龍芸術大賞 優秀賞(上海)
武蔵野美術大学 優秀作品展
武蔵野美術大学修士課程修了制作展
2018 武蔵野美術大学卒業制作展
2016 素材のここち」gallery hygge(東京)


湯浅 万貴子 Makiko Yuasa
1988 新潟県生まれ
東北生活文化大学家政学部生活美術学科中退

個展
2021 「身に悖ること勿れ」 Medel Gallery Shu( 東京)
「不変の前兆」 s+arts( 東京)
2020 「静かな荒野」 s+arts( 東京)
2014 湯浅万貴子展 Shonandai Gallery (東京)

グループ展
2022 「s+arts summer exhibition」 s+arts(東京)
2021 「Their collages」 s+arts( 東京)
2020 「荒地のアレロパシー」 MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY(東京)
2019 「amṛta」 s+arts (東京)
2018 「せんだいアンデパンダン展」 Gallery TURNAROUND(宮城)
「Composition」 Shonandai Gallery(東京)
2017 「Shonandai MY Gallery10周年開廊記念展」 Shonandai Gallery(東京)
2016 「WILL」 Shonandai MY Gallery(東京)
2014 「MY duo展」 Shonandai MY Gallery(東京)
2012 「Roppongi αArt Week」 Shonandai MY Gallery(東京)
2011 「“petit”GEISAI#15 Point Ranking ふたり展」 Hidari Zingaro Gallery(東京)

アートフェア
2015 「YOUNG ART TAIPEI」 (台湾)/ 出品:Shonandai Gallery
2012 ULTRA 005 (東京)/ 出展ディレクター:山本知青 (Shonandai Gallery)

アワード
2011 YOUNG ARTIST JAPAN vol.4 TOGBOAT Shonandai MY Gallery 山本美知子賞
GEISAI #15来場者ポイントランキング第3位

掲載
2020 Webレビューとレポート(みそにこみおでん)家船参加作家インタビュー/聞き手・KOURYOU
2018 美術の窓5月号「新人大図鑑2018」
2012 月刊アートコレクター9月号「新人アーティスト300人」

その他
会田誠 MONUMENT FOR NOTHING II / 制作アシスタント(2010~2014年)
KOURYOU 家船 / 企画、制作アシスタント(2019年~現在)


谷口 典央 Taniguchi Norio
1988 福岡県糸島市生まれ
2014 東京造形大学美術学科絵画専攻卒業
2020 東京藝術大学 大学院美術研究科 版画第2研究室 修了

個展
2021 「新しい惑星を歩く」 CANDYBAR Gallery(京都)
2020 「FromSomeone」SKLo(石川)
2019 「Time Travel」 CANDYBAR GALLERY(京都)
2016 「Faded Scene」 Guardian Garden(東京)
2014 「忘れた話」 POST PARTY DEPRESSION(東京)

グループ展
2022 「s+arts summer exhibition」 s+arts(東京)
「TRI-FOLD」 WHAT CAFÉ(東京)
2021 「ART@DAIMARU」大丸京都店(京都)
2020 「シェル美術賞展 2020」 国立新美術館(東京)
Creation Project 2020「 益々繁栄」 Guardian Garden(東京)
「WONDER」 大丸梅田店(大阪)
2018 「Native」 PAPER gallery Manchester( U.K.)
2017 「Point of Departures」arena1gallery( L.A.)
2015 第13回グラフィック「1_WALL」 Guardian Garden(東京)
2014 「第12回 TIS公募受賞者展」 Gallery 5610(東京)
「TONE」 Gallery LaLa Tokyo(東京)
2013 「第11回 TIS公募受賞者展」Gallery 5610(東京)
「第38回 全国大学版画展」 町田市立国際版画美術館(東京)
2012 「第37回 全国大学版画展」町田市立国際版画美術館(東京)
「proof」文房堂ギャラリー(東京)

AWARD
2020 シェル美術賞 2020 入選 他
2020 東京藝術大学修了展にて東京メトロ文化財団賞 


三橋 灯 Akari Mitsuhashi

1984 東京生まれ
2008 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業 
2010 多摩美術大学大学院博士前期課程美術研究科絵画専攻油画領域修了

個展
2021 bright / s+arts(東京)
2020 ≒ nearly equal / s+arts( 東京)
2017 Shonandai MY Gallery (東京)
2015 Shonandai MY Gallery (東京)
2014 ASAGI ARTS (東京)
2013、11、10、08 Shonandai MY Gallery (東京)

グループ展
2022 s+arts summer exhibition / s+arts(東京)
2019 LUMINE ART FAIR / LUMINE0 (東京) / s+artsより
Newly Nowadays / s+arts (東京)
2018 Mellow in May / Shonandai Gallery (東京)
2017 Shonandai MY Gallery 10th Anniversary / Shonandai Gallery(東京)
YOUNG ART TAIPEI Sheraton Grande / Taipei Hotel (台湾)/ 出品;Shonandai Gallery
My pleasure / ASAGI ARTS (東京)
Group Show / ASAGI ARTS (東京)
2016 調布会 / みるめGallery (東京)
2015 the art fair +plus ultra 2015 / スパイラルガーデン(東京)
出展ディレクター: 山本知青(Shonandai Gallery)
Affordable Art Fair / F1 Pit Building (シンガポール)/ 出品;Shonandai Gallery
調布会 トコン・ダラーム・バサール・ウタラ (東京)
2014 ART APART FAIR / PARKROYAL on Pickering (シンガポール)/ 出品;Shonandai Gallery
2013 Pair 展 / Shonandai MY Gallery (東京)
調布会 / Itazu Litho-Grafik (東京)
「新たな様相」展 / REIJINSHA GALLERY (東京)
YOUNG ART TAIPEI / Sheraton Grande Taipei Hotel(台湾)/ 出品;Shonandai Gallery
2012 460人展 / 名古屋市民ギャラリー矢田 (愛知)
2010 New Year Expo:International cultural exchange exhibition巡回展 / Riviera Hotel (カザン・ロシア)
2009 International cultural exchange exhibition / SAVOY HOTEL (モスクワ・ロシア)
第一回青木繁記念大賞西日本美術展 / 石橋美術館 (福岡)
MY Harmonious Exhibit 2009 / Shonandai MY Gallery (東京)
2008 五美大展(卒業制作作品福沢一郎賞受賞) / 国立新美術館 (東京)
CAAF2008/24+6 / クレアーレ青山アートフォーラム (東京)
2007 パルテノン多摩美術公募展 / パルテノン多摩 (東京)
絵画展 / 文房堂ギャラリー (東京)
DISCOVERY 2007 / KEY gallery (東京)

その他
第23回ホルベイン スカラシップ奨学生(2009~2010)